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【映画感想】残穢

残穢

残穢

誰が、なぜ事件を引き起こしたのか。
聞いてしまった奇妙な「音」は、連鎖する不可思議な事件への招待状だった。

事件をつなぐ「穢れ」の正体とは?真実の先に待つ、衝撃のラストー。戦慄のリアルミステリー。

引用元: 公式サイト

鑑賞日:2016年9月24日(DVD)
上映時間:107分
個人的評価:60/100点

監督
中村義洋

出演者
私(竹内 結子)
久保さん(橋本 愛)
平岡芳明(佐々木蔵之介)
ほか



ストーリー

穢れとは、不浄、汚れ。死・出産・疫病・失火・悪行などによって生じ、災いや罪をもたらすとされている。

Mさんは幼少の頃、河童のミイラがあるという親戚の家に泊まっていた。夜、目が覚めると開けてはいけないと言われていた仏間の前を通ると、轟々と風の音がした気がする。恐る恐る開けてみると、何かがこすれるような音とうめき声が聞こえ、仏壇の裏から黒い人のような影が這いずり出てくる。狼狽え、腰を抜かすMさんの目の前に、焼けただれたような腕が見えるのだった。

…というような、投稿者からの怪談話を「実話怪談」として執筆している「私」は小説家。夫は心霊に関しては否定派。そんなある日「久保」という女性の手紙に興味を惹かれる。
手紙によると、彼女は都内の大学で建築デザインを学びながら、ミステリー研究会に所属している女子大生。岡谷マンションの202号室で一人暮らしをしているのだが、部屋で過ごしていると隣の和室から何かを箒ではくようなこすれる音がするという。その和室を写真で撮ると、光の玉が部屋中に写っているのだった。
いわゆる、オーブと呼ばれるものだったが、その正体は空気中のホコリ等にカメラのフラッシュが反射して見えたものだとその時は気にはしなかったのだが、最初の手紙から数カ月後、和室に身体を向けていると音は聞こえないが、襖を閉めると音が鳴り始めると再度手紙がくる。そして、襖を開けると、金銀の細工が施された、結婚式の時に巻くような帯が、一瞬だけ見えたという。

この頃から私は久保さんとメールでのやり取りを開始する。

久保さんとのやり取りのうちに、私は着物の女性が首を吊って揺れているので帯が床に擦れているのではないか?と想像するようになる。そう考えた時、似たような話が2年前に手紙で寄せられたことを思い出す。
その手紙は同じマンションの405号室で、そこに暮らす女性が、娘が天井を指差し「ブランコ」とつぶやくという内容だった。そして、娘がぬいぐるみの首にひもを括りつけて遊んでいたというのだ。しかし、202号室と405号室は並びもあっていないし、まったく関係性はなさそう。現象が移動しているのか?
久保は別室の住人やマンション周辺に住む人達に話を聞いて回っていた。202号室は単身者用の部屋でもあるため入れ替わりが早いらしいが、不動産屋にも確認したところ、どうやら自殺者や事件は一切ないようだった。
そんなある日、隣の201号室に「飯田」一家が引っ越してくる。飯田は家賃の安さに不信感を持っているようだった。

半年後、久保は前住人の「梶川」という男の存在を知るが、調べてみると1年前に死亡しているとの事だった。務めていた家電販売店に話を聞くと、岡谷マンションに越してから、ぼんやりすることが多く、発注ミスや無断欠勤も頻繁になっていたという。そして、アパートに引っ越した後、自殺してしまったというのだ。
アパートの大家さんによると、入居時に梶川から「赤ん坊はいるか?」と聞かれていた。前の住居で騒音問題にでも悩まされたのかと思っていたが、ある夜、大家が寝ていると窓の外に人影が見え、声をかけると梶川だと名乗る。そして、彼は「申し訳ありません」と言うのだが、カーテンを開けると誰もいない。そこで目が覚めると今度は玄関から梶川の声、そして振り返ると梶川が立っているのだった。そこで再び目を覚ますと朝になっていたが、気になり部屋へ向かうと梶川が首を吊って死んでいたのだった。
そして、その部屋には事故物件ということを知りながら「山本」という男性がすでに住んでいるのだった。

久保は、その死んでしまった梶川が部屋に来てしまったのかと考えたが、梶川が死んだのは5月19日、久保の手紙の消印は5月15日なので死ぬ前から音はしていたはず。ということは、着物の女性が梶川を呼んだのだろうか?
久保が部屋へ戻ると、隣の飯田の奥さんがドアから顔を覗かせる。最近、公衆電話から「今一人ですか?」といったいたずら電話が頻繁にかかってきてノイローゼ気味だというのだ。この話を聞いた私と久保は、部屋で何かが起こったのではなくマンション自体がおかしいのではないかと考える。

久保と合流した私は、マンション以前の土地を調べ始める。マンションの向かいに1980年代に移住してきたという「益子」さんに話を聞くと、マンションが建つ前は駐車場で、それ以前の1987年には「小井戸」という老人が住んでいたという。70年代に移住してきたという当時の町内会長の「秋山」さんによると、小井戸宅はいわゆるゴミ屋敷で、理由を聞くと「隙間が嫌い」との事だった。そして自治会費を集めるために秋山が家を訪れると、ゴミの上ですでに腐敗している小井戸の死体があったのだった。

さらに時代を遡って調べると、マンションの跡地には4件の家が存在していたが、どれも曰くつきだったという。根本家ではおばあさんがボケてしまい、軒下に猫がいると言っては縁側で寝転んで何かと会話していた。藤原家は入れ替わりが多く、3つ前の川原家の息子は問題児で、やたらイタズラ電話をかけたり、奇行が目立っていたという。
どうやら、この土地は住民の流動性の高い土地らしい。そして、久保が家に帰ると隣の飯田が引っ越しているようであった。

2人は次に昔からの写真店を訪れる。店主の「田之倉」さんによると、いわくの土地は元々「高野家」と「根本家」の2家が所有していた土地だったらしい。しかし、高野家の娘の結婚披露宴後、夫婦で家に戻ると妻が和室にこもり、不審に思った夫が見に行くと、帯を床に擦らせながら首を釣っていたという事件があり、それ以降、夫はこの地を去り、その後に小井戸宅が建ったという。私は、この女性こそが久保の家に現れた着物の女性だと確信するのだった。
生前、自殺したトシヱと親交のあった「日下部」さんによると、トシヱは「赤ん坊の声が聞える」と怯えていることがあったという。その声は他の誰にも聞こえていなかった。「床から赤ん坊が湧いて出て泣く」と言っていたが、娘の礼子は悪い男に引っかかり流産していたことから、その事で病んでいたのではないかと思われていた。
もしかしたら、小井戸はその声が聞こえたり見えてしまったので隙間を埋めるようにゴミで埋めたのではないか?久保は1年の更新期間を残し引っ越しをすることを決意する。

私は今までの話をまとめて執筆しようとするも、長すぎて使えないと編集者に言われてしまう。その会話を聞いていた同業の「平岡」は「湧いて出る」というのは複数形の表現であり、礼子はそんなに何人も流産していたのか疑問を抱く。そして、産んだ赤ちゃんを殺して床下に隠していた犯人の住んでいた千葉の廃屋で、沢山の赤ん坊の幽霊を見て逃げた、という似たような話を聞いたことがあると語る。その犯人は中村美佐緒という女性で、逮捕されたが赤ん坊の遺体は1つだったのに、なぜか沢山の赤ん坊が出てきたらしく、その廃屋はすでに取り壊されているという。さらに「業が深い話は取り扱いを間違えるとヤバい」と警告するのだった。

久保は引越し後就職が決まり、私は新居を建てて引っ越しを終わらせると平岡からファイルが届く。そのファイルによると1952年、中村美佐緒は千葉で捕まる前に長屋に住んでおり、そこで7人の赤ん坊を殺していた。美佐緒は床下から声が聞こえ、その指示に従っていたという。そして長屋が取り壊され更地になったところにできたのは高野家と根本家であった。私はこうして発生してしまった「穢れ」に触れて高野トシヱは自殺してしまったのかと考えたが、どうにも腑に落ちなかった。長屋の前は何だったのか?久保の後輩たちの協力により、明治時代に「吉兼家」があったことが分かる。
平岡の話によると、吉兼家には「友三郎」という精神に異常をきたし、座敷牢に閉じ込められていた男がいたとのこと。「焼け、殺せ」とわめいては暴れ、座敷牢に設置されているトイレから抜け出ては床下を徘徊していたようだ。美佐緒が聞いていたのはこの声だったのではないか?小井戸もこの声が聞こえていたので床下にゴミを詰めていたのでないか?

吉兼家を調べるために、吉兼家の墓が収められている寺の住職「國谷」氏に話を聞くと、大正時代に移住してから先の関係は途絶えており、最後に残っている資料は、九州から友三郎の継母である「奥山三喜」がやってきたことまでだった。彼女は嫁入り道具として「婦人図」を持ってくるが、2度の流産の後24歳の若さで亡くなっていた。そしてその婦人図は三喜の一周忌に寺に奉納されたが戦災で無くなってしまっていた。その絵の女性はたまに醜く歪み、その顔を見たものは気が狂うと言われていた。友三郎がおかしくなったのはこの絵のせいなのか?

九州出身の平岡の友人「三澤」によると、九州の奥山家の事件は有名らしい。絵が歪む時、轟々とした風の音とうめき声が聞こえる…かつて奥山家が管理していた鉱山での火災事故により、100名以上の犠牲者が出たが、その理由は火災の拡大を防ぐために入り口を塞いだことであった。その死者の恨みから歪むようになったというのだ。伝説によると、その当主もしばらく後、家族と使用人を皆殺しにし、屋敷に火をつけた後自分も首をくくって自殺したという。
この話は「聞いても話しても祟られる」として「奥山怪談」として語り継がれていた。

私はかつて書いた「河童のミイラ」の話を思い出していた。そして、その話の投稿者「Mさん=真辺」さんが体験した場所こそ、かつて奥山家があった場所だったのだ。奇妙なところで話がつながってしまい、まさに「業の深さ」を感じる私たち。真辺の話によると、そこの主人である「幹男」は悪趣味な収集家で、その屋敷は今も福岡に残っているという。
私と久保、平岡、三澤は4人で福岡の屋敷へ向かうのだった。

感想(ネタバレあり)

原作未読。かなり複雑な話で、メモと回想でストーリーをまとめながらあらためて理解しなおした。
一言で言うなら「理不尽」な話である。
炭鉱事故という大きな悲劇が発生し、それに付随して発生した悲劇がどんどん広がっていく。それに深入りしてしまったがために呪われる(という表現もおかしい気がするけど)というならまだ分かるけど、たまたまそこに住んでただけで被害被るのは、呪怨やリングよりはるかに質が悪いと思った。
こんなん、個人レベルで解決できる話じゃないぜ。

また、同時に切なさも感じた。事故の被害拡大を防ぐために炭鉱を塞ぐのはやむを得なかったはず。死んじゃった側からしたらたまったもんじゃないだろうけど、その後供養もきちんとしてた当主はもう少し救われても良かったんじゃないかな?神にも仏にも、さらには魔をもってしても払うことの出来なかった穢れ…あまりにも悲しい。
もしかしたら炭鉱事故も穢れによって起こった可能性もあるんだけど。

怖いといえば怖い。それは作品全体に漂う不気味さであって、幽霊や悪霊にびっくりするという類ではない。リアルタイム上では人は死なず、すべて過去の出来事か回想。なので、貞子みたいな大ボスが出てくると思って見てると「え?」となる。どちらかというとミステリー色の方が濃いのかな?

邦画ホラーとしては新しい可能性が見れたな、と思った。
実際の世界にも「風が吹けば桶屋が儲かる」といった、何かが起こってその結果何かが起きる、みたいなことは多いと思うので、今作のようなまさに「業が深くてヤバい」という話は現実味があって面白い。
これを見て「もしかして自分にも起こるのでは?」と思ってしまったら監督の思惑通りなんでしょうなぁ。

ただね、やっぱりホラーの定説からは抜け出せなかったよな、というところもある。いっつも気になるんだけど、なんで夜に廃墟とかに行くのかな?肝試しじゃないんだから昼に行けばいいじゃん!それでいて、日中なのに日も届かなくて薄暗い…って方が怖いと思うんだけどなぁ。
そして最後に一気に関係者達に幽霊が襲い掛かるみたいになっちゃうの。本当に勿体ない。ここは最後まで「もしかして穢れは広がっているのか?」くらいの匂わせ方でよかったのに。いらなくないですか、山本君のその後とか?
「私」の家の電気が誰もいないのに光ったりとか、子どもたちが今度は複数で天井見てるとか、その辺の演出はよかったのになぁ。

人物、場所、時代と見ていて覚えておかないといけないことが結構多いです。頭のなかで年表を組み立てられないと、途中で「?」になる可能性大。
初見の場合は日本語字幕を表示した方が分かりやすいかもしれません。
多くの方にお勧めは出来ないジャンルですね。

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